【The Munda Biddi Trail -1】

ここ数ヶ月、ウィルの両親がタスマニア島に遊びに来たり、ニュージーランドに移動したりして、ドタバタと音を立てるように時間が過ぎた。Munda Biddi Trailを走った日々について書こうにも、うーんと思い返さなければならないからいけない。少しでも余裕がある時を見つけて、小まめに書き留めておくに限る。

そして皆さん遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
どこかで会えることを祈りつつ、、、2013年もよろしくお願いします!
今年こそはもう少し、ブログの更新を頑張ります。
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Munda Biddi Trail (MBT) は、オーストラリアに数々存在する‘隠された魅力的な場所’のひとつだ。Western Australia(WA)という、ひとつの州の中に1000Kmちかいトレイルがあること自体驚きだが、WAの中でもMBTの知名度があまり高くないことにはさらに驚かされた。先進国でありながら、手つかずの場所がまだまだたくさん隠されている。だからこそ、巨大なオーストラリアに私たちは魅了され続ける。

Map_9_Overview_Mapアボリジニーの言葉で、‘森の小道’を意味するMunda Biddi Trail(MBT)。オーストラリア政府が主体となって整備されているこのトレイルは、現在も整備が進められていて、PerthからAlbanyまでの全9セクション、約950Kmのうち、Manjimup-Denmarkの区間およそ300Kmは、未だ完成していない(この区間は道路を走ることになる)。ある町の観光案内所で聞いた話では、今年の3月までには全区間が開通する予定なのだとか(2013年1月現在)。そうなると、世界でも屈指の距離を誇るマウンテンバイクトレイルの誕生となる。私たちがMBTのことをはじめて耳にしたのは、シンガポールからWAの首都パースにやってきてしばらくしてからだ。その頃はまだ全区間の3、4割しか出来ていなかったのだから、オーストラリア基準でいうと、かなり急ピッチで進められているのではないだろうか。

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トレイルそのものは、茂みの小道や林道、かつての線路跡、さらにMBTのために整備された道から成っていてコロコロと表情を変える。場所によっては、かなり急な坂があったり、川沿いでは渓谷ならではの激しい上り下りがあったりして、なかなかの挑戦になるところもある。小さなバックパックひとつで身軽に走ったほうが(私たちのように完全装備な状態よりも!)いいような、テクニカルなシングルトラックも結構ある。とはいえ、小さな子供が一緒の家族連れでも楽しむ事ができる穏やかでリラックスした区間もあるので、目的の違う様々な人が楽しむ事ができる素晴らしいトレイルだと言っていい。
ハット(hut)と呼ばれる小屋が定期的に必ず設置されていて、そこで寝泊りできるのでテントは無くてもいいくらいだ(ただし、ハットの敷地内にテントを張ることもできるのでピーク時やキャンプ好きな人には持参をおすすめする)。どれもペンキや木の香りがしそうなくらいの新築で、おまけに広く過ごしやすい。その上、どのハットにも汲み取り式のトイレや雨水を溜めた貯水タンク、テーブルにベンチ、駐輪場が設置されているし、中にはメンテナンスをするためのバイクスタンドが完備されているものまであり、とても快適だ。(いくつかのハットは、お金を払ってもいいくらいに素晴らしかったのだけれど)もちろん全て無料で利用できるのが嬉しい!

ハット

ハット

全9区間すべて、区間ごとの地図があり、道順はもちろん標高差、難しさのレベルまで記されていて、とても使いやすい。安い地図ではないし、9つも必要なのだから、セカンドハンドショップで購入するか、誰かに借りることが出来ればラッキーだろう。

地図の一例

地図の一例

MBTへの出発前に遡ること去年の10月。私たちはパースの街中にあるカフェにいて、友人でもあり、以前にボランティアでMBTのメンテナンス(落木の撤去や、道標の設置など)をしていたこともある自転車オタクCarlと一緒に、いろいろな作戦会議を行った。あらゆる地図や、資料を小さな机に広げて、細心の注意を払って(?)カプチーノをすする。森の中を駆け抜けるわけだし、キンバリーのような猛烈な暑さからも解放されるし、こりゃ楽しみだ。もしかしたら、ひと月と言わずあっという間の2週間で走り終えたりしちゃってね!なんて言い合いながら。Carlからもらったたくさんのアイデアとヒントは、私たちのMBT旅を素敵に彩ってくれた。Carlとは、最後の区間であるDenmarkからAlbanyまでを一緒に走ることになる。

長くなるので、各区間ごとの特徴や感想なんかはまとめて次回のブログに書こうと思う。お楽しみに!